国立の中学や、公立中高一貫校は?
「センセー、もっと経済的に、レベルの高い中学に行く方法って、ないの?」
うん、あるにはあるんだけど、条件は難しいよ。
それはズバリ、国立大学の付属中学とか、公立中等教育学校だ。
国立大学の付属中学は、国立だから入学金とか授業料は殆どゼロ。
高校はさすがに入学金や授業料は取るようだけれど、それでも私学に比べればはるかに安いね。
制服代などの諸経費を合わせても30万程度で済むけど、これは普通の公立に入るのと同じくらいの費用になる。
それでいて進学実績は、申し分のないところが多い。
たとえば東京学芸大付属とか筑波大付属なんていう高校は、東大合格者出身校のベストテンに入っているし、最近始まった公立中等教育学校(中高一貫教育)も、おそらくいい成績を残すだろう。
関西でも、大阪教育大付属の3高校(天王寺、池田、平野)からは、各校160人の卒業生から、京大にそれぞれ20人前後合格者を送り出している。
京都教育大付属なんかもいい。
だから、国立・公立の中学だけを目指す中学受験というのも、考えられる。
ただハードルは、かなり高いね。
まず、自宅から通学時間が60分以内などの条件が付く。
それから募集定員が50~100人程度と少ないので、競争率が非常に高い。
最低でも3倍以上になるし、5倍くらいは当たり前。
しかも合格基準は、あくまでも「普通の生徒」
で、図工などの実技科目があることもある。
運良く合格して入学できたとしても、こういう教育大付属の学校というのは教育の実験校という位置づけなので、教育実習生が授業を受け持つ時間数が普通の学校に比べて、かなり多くなることは、覚悟しないといけない。
またカリキュラムや進路指導も、ほぼ普通の進学校並になると考えておいた方がいい。
東大や京大の合格者が多いのは確かだけれど、難関大学合格を目標にした指導があるワケじゃないってことは、覚えておかないといけない。
ようするに教育実験のためのモルモットになってもいい、という覚悟が必要だ。
そして系列高校への進学に関しても、実は気を抜けなかったりする。
特に東京学芸大附属の中学(小金井・世田谷・竹早)から併設高校への内部進学率は、なんと3割から5割程度で、全員高校受験の準備をさせられる。
センセーもそういう生徒さんを1人教えた経験があるが、お母さんも必死だったね。
だから国立大付属の中学でも、タダで系列高校に内部進学させてくれるわけではなく、一定の試験があるというのも、覚えておく必要があるね。
一方、最近続々と新設され始めた、公立の中等教育学校(中高一貫校)も、期待できるね。
こちらも公立だから、学費は普通の中学・高校なみの費用ですむ。
建前としては、入試を行わないということになっているが、人気があるので結局何らかの試験(検査)をすることになる。
どのような検査をするかというと、実に様々だ。
コチラの本に詳しいので参考にして欲しい。
ベネッセ発 親子で伸ばす「本物の学力」
http://tinyurl.com/3wcj2kでも、この辺の中学もやはり、競争率は最低でも5倍くらいあると思っていい。
合格したら、ラッキー、ってことだ。
国立大学の付属中学や、公立中等教育学校(中高一貫校)なら、学費は安くつく。
ただし競争率は、とんでもなく高いし、教育実験の場であるという認識も必要。