中学入試、合格はどうやって決まる?
さて次は、試験科目の話だ。
一般に、国・算・理・社の4科目を受験しなければいけないのを『4科目型』、
国語と算数の2科目を受験しなければならないのを『2科目型』っていう。
「うん。」
で、関東の私学の場合、難関中学はほとんどが4科目型入試で理社の配点が、高いんだ。
難関・上位中の場合は4科目必須で、配点も3:2くらいになっているところが多い。
つまり算数・国語が各120点で、理科・社会が各80点とか、そういう配点だね。
中位レベル以下の中学だと、4科目型でも、算国の配点と理社の配点は、だいたい2:1。
つまり算数・国語が各100点満点なら、理科・社会は各50点なんて感じが多い。
また算国が各100点で、理社は各75点なんて配点になっている学校もあるけど、
こういう学校は2科目型併用入試なので、実際は理社の比重はそんなに大きくないんだよ。
「ふーん、じゃその2科目型併用入試って、どういうの?」
中位レベルの学校では、2科目型併用入試を行っている中学が多い。
2科目型併用入試というのは、2科目入試と4科目入試の両方を同時に行う入試だ。
この場合、ちょっと複雑な仕組みだ。
というのも単純な2科目型だと、2科目の合計点で合否が決まるだけだけど、
同じ日に同じ問題で4科目型試験を並行して行っている場合、4科目型で受験した人の2科目合計点も、有効になるんだ。
「え、どういうこと?」
つまり、2科目型受験した人も、4科目型受験した人も、まず2科目型で評価して合格者を決めるんだ。
「えっと、それって、4科目受験した人も2科目受験の人と同じになるってこと?」
うん。
まあ、そういうことかな。
基本的な考え方は、こういうことだ。
たとえば併用型入試で4科目型で受験して落ちた人がいるとしよう。
でも、その人の算数と国語の合計点だけを見たら、
同じ問題で実施した2科目型入試で合格した人の合計点より上だったってことは、あり得るよね?
そしたらどうなる?
「ん~、それじゃ、4科目型で受けるより、2科目型でエントリーしてた方が良かったってことになるね」
そうだね。
2科目だけで比べたら、4科目で受験した人の方が点数が高かったのに、
その受験生を不合格にするのは、ちょっとまずいよね。
こういうことが起こるとまずいから、2科目入試と4科目入試を同時刻で実施する場合は、
まず算数と国語の合計点で、合格者を何十人か決めてしまうわけだ。
そしてそれに漏れた4科目受験生の中から、さらに何十人か合格者を決める、…っていう手順になるんだ。
だから中位レベル以下の学校では、理科や社会の点数は、オマケ的な扱いなんだね。
できることに越したことはないんだけど、まずは国語と算数!ってことだ。
ただし2科目型で何人合格させるとかっていう人数は学校によって違うから、
算数と国語の重要度も学校によって違ってくる。
この辺がちょっと、わかりにくい試験方式なんだね。
【受験科目】関東の難関・上位校では、4科目(国・算・理・社)とも重要。
中位以下の学校では、算国の点数が重要。