中学受験、いつまでに始めればいい?
さてそれじゃあ、今度は中学受験の始め方の講義を始めるよ。
公立中学と私立中学のメリット・デメリットがわかった上で、
じゃあ中学受験を考えようということになった場合の話だ。
あるいは、中学受験に備えるために、何をすればいいかという話だ。
「オッケー。
ところでセンセー、最初に1つ質問していい?
中学受験するかしないかって、まずいつまでに決めないといけないものなの?」
いい質問だね。
受験をする以上、いつまでに何をやらなければならないかっていうのは、非常に大事だ。
もちろんこれは、生徒1人1人の学力や性格にもよるんだけど、教える立場からいうと、最低1年半は時間が欲しいところだね。
「1年半?」
うん。
1年半あれば、子供の性格もわかるし、苦手な部分にもいくらか対処できる。
だから、遅くても小学校5年生の夏までに、始めて欲しい。
中学入試は、関東では2月1日から、関西では1月中旬からだから、
それから1年半前となると、遅くとも小学5年生の夏休み前に勉強を始めないと、間に合わないってことだね。
「小学5年生の夏休み前ね。」
普通に読み書きや計算ができる子供なら、小学4年生の2月から、小学5年生の夏休み前くらいに始めれば、十分入試に間に合う。
個別指導の塾なら、少なくとも中学受験も考えていると塾に言っておいてくれれば、
計算と書取だけでも小テストができるし、一行問題集などの受験用の問題を渡せる。
計算と書取さえできれば、中学受験の下準備はできるからね。
6年生から始めるのは?
「じゃあ、6年生から中学受験の勉強を始めるっていうのは、ムリ?」
6年生からでは、かなり厳しいね。
特に夏休み前に「中学受験したいんですけど…」
というような親御さんもいるけど、もうホントにかなり厳しい。
学校で4教科、かなりできる生徒でないと。
6年生からの場合、試験まで10ヶ月もないし、入試直前まで本当に目一杯勉強してもらわなければならなくなる。
夏休み前からだと、学習期間は5ヶ月しかとれないからね。
もちろんそれで合格する生徒さんもたくさんいるけど、選べる学校は国語と算数の2科目受験で合格できるところに限られてくる場合が多い。
特に上位難関校は、4科目型受験で、しかも理社の配点が高いから、6年生から中受の勉強を始めた場合、まず受からないと思った方がいい。
逆に中位レベル以下の中学校なら、2科目受験も可能だし、4科目受験でも理社の配点が算国の配点の半分くらいだから、間に合わないこともない。
ただし過大な期待はしない方がいい。
小学校では100点ばかり取ってくる生徒さんで、塾の到達度テストでも満点に近い点数を取る生徒でも、首都圏模試などを受けてもらったら偏差値40なんてことは当たり前。
算数ができないのは仕方ないにしても、国語や理科、社会なども、問題の難易度や必要な知識の量は、かなり違う。
中学受験というのは、小学校のテストとは全く別物だからね。
普通の高校生に、東大や京大の試験問題をやらせるようなものだと思ったらいい。
使う知識は学校でも習うけれど、それを自由自在に使いこなした上で、様々なタイプの問題に応用できるようなトレーニングを積んでいなければ、1点も取れない。
練習もせずに、プロの試合に臨むようなもんだ。
【中学受験のための勉強】受験勉強は、5年生の夏前には始めよう。
6年生ではちょっと遅い。計算練習や書取などは、毎日やらせよう。