算数や数学は、パズルだ
算数や数学は、抽象的な学問で、俗に『虚学(きょがく)』なんて言われる。
知っていると役には立つけど、それ自体で何かを為すものじゃない。
これらは知識というより技術だから、普段の生活の中で勝手に知りたいと思ったり、見聞きするだけで身に付くものじゃないんだね。
たとえ興味を持ったとしても、知ろうとするのは足し算や引き算くらいまでだろう。
兄弟でおやつを分けるのに、わり算を覚えたいという子供がいたら、ビックリ仰天だ。
算数や数学は、実際のところ、クイズやパズルだと思った方がいい。
たとえば中学受験算数の代名詞とも言える<つるかめ算>。
鶴と亀が併せて10匹います。
足を数えると全部で24本でした。
鶴は何羽いるでしょう?これなんか、単なるクイズとかパズルだね。
まさに虚学だ。
だって鶴と亀の合計がわかるってことは、鶴と亀を実際に数えているってことだから、鶴が何匹いるかなんて、数えたらわかる。
足だって鶴と亀の足は似ても似つかないものだから、区別が付かないなんてことはない。
問題自体、ナンセンスだ。
だけどつるかめ算の解き方や考え方は、いろいろ応用できる。
たとえば
- 5分前に分速100メートルの速さで、お姉さんが家を出て駅に向かいました。
- お弁当を忘れていたので、自転車で分速200メートルの速さで追いかけました。
- 何分後に追いつくでしょう?
これだったら、多少は意味があるかもしれない。
分速100メートルで5分前に出たんだから、お姉さんは今500メートル先にいる。
あとから追いかける場合、1分間で100メートルずつ追いつくから、500メートルの差がなくなるのは5分後。
これはつるかめ算の応用だ。
しかし、こういうのは、問いかけがないと一生考えないわけだね。
誰かがクイズで出したり、テストに出たり、算数の問題集を解こうとしない限り、普通はこんなことは考えない。
だってこんなこと、考える必要なんか、日常生活の中では滅多にないからね。
必要がないのに考えるってことは、ふつうは夢想とか妄想ってことになるけど、算数や数学っていうのは、実際そういうものなんだ。
こういうパズルのようなモノが好きで、どんどん自分でやっていけるような子供だったら、家で市販の問題集をやるだけでも中学受験の準備はできるだろう。
事実、中学受験の本や、インターネット上の掲示板やミクシィなどには、家庭学習だけで合格した家庭の体験記がたまに載ってるけど、成功したパターンは
- 子供が算数が好きで、自分で勝手にゴリゴリやっていた。
(男の子)
- 親が子供といっしょに、『予習シリーズ』算数・理科・社会をやりこんだ。
(女の子)
だけど特に経済的に困っていないなら、週1~2回、塾にやる方が、刺激があっていいね。
一斉塾でも個別指導塾でも、学習カリキュラムに沿って進めてくれるから、ダレにくい。
また独学だと、遠回りの自己流の解法が身に付くこともよくあるからね。