受験勉強のゴールは、志望校合格。途中はどうでもいい。
進学塾の学習カリキュラムについていくために、
さらにもう一つ個別の塾に通う。
昨今の中学受験では、こういうことも珍しくない。
「小学生も大変だね」
まあでも、そういうミキちゃんだって、
大学受験の時は、予備校に通いつつ、センセーのところに教わりに来てたじゃないか。
「あ、そっか。
でもウチは予備校、あんまし行かなかったし。だってムダじゃん?」
予備校はムダ?
「だって、予備校は、ウチが知りたいことを教えてくれるとは限らないじゃん?
だったら家で自分で勉強していた方が百倍勉強になるし。
面白い授業と、月イチの模試だけしか行かなくていいと思って。
英語と数学の勉強法は、センセーに聞きゃいいし。」
そういうことだね。
一斉授業の場合、教えてくれるメリットがある反面、無駄も多くなる。
なぜなら子供にそのとき必要な学習とは関係なしに、塾の都合で授業が行われるからね。
これは結構大きな無駄だね。
それから一斉授業のもう一つのデメリットとしては、授業のレベルが自分の子供には合わないかも知れないということだ。
公立中学のデメリットの話のとこでも言ったけれど、一斉授業をやる場合は、誰かの学力レベルにターゲットを絞らなければならない。
で、公立学校の場合は、平均か平均よりやや低いレベルがターゲットになるけど、進学塾の場合は、できる生徒に合わせることになる。
なぜかというと、合格実績が進学塾のビジネスでは大きいからね。
有名な学校にたくさん合格者を出せば、子供を塾にやろうという親御さんの関心を引ける。
また親の側も、「こんなにたくさんの合格者がでているんだから…」
と、お金を出すのに納得する材料にできる。
だから授業も学習スケジュールも、近い将来、
名の通った中学に合格できるような、デキる生徒に合わせることになる。
しかしこれをやると、ついていけない生徒もたくさん出てくることになるわけだね。
というのも、進学塾では、学校で習う勉強を、ものすごく先取りしてやっている。
たとえば大手の進学塾では、小学校では5年の3学期に習う分数の計算を、
なんと4年生の2月とか3月にやる。
春休みで学校がないから、ドンドンやっちまえってことなんだろうけど、
学校のカリキュラムを基準に考えたら14ヶ月も先取りだ。
これだけ先取りして、消化不良を起こさない方がおかしいくらいだ。
国の学習指導要領だって、適当に単元を割り振っているわけではないからね。
子供の脳の発達時期を無視して詰め込んでも、混乱するだけだ。
だから5年生の模試では、計算ができる生徒は、偏差値が高めに出たりする。
なぜなら同じ5年生でも、分数の計算がまだ理解できていない子供がいるからね。
でも6年生になる頃には、他の子供に追いつかれるから、偏差値は下がる。
そして慌てふためいて、ゴールデンウイーク特訓に通う羽目になったりする。
だから一斉授業の塾に子供をやる場合は、親は十分に気を付けねばならない。
最低限やるべきことと、無理してやる必要のないことを切り分けて、
オーバーペースにならないように、配慮しないといけない。
でないと子供がダウンするよ。
中学受験は、勉強の先取り競争じゃないんだから、早くやればイイってもんでもないんだ。
【中学受験:気を付けて!】 中学受験の勉強は、早く始めればいいってモノじゃない。
早い時期に詰め込みをやると、消化不良を起こす。