子供がサッカー選手になりたいと言ったら?
「センセー、子供の目標が医者だったり政治家だったり科学者だったらいいけど、他の目標だったらどうするの?」
他の目標って?「たとえばウチの知り合いで、サッカー選手になるとか言って、
勉強しないコがいるんだけど、そういう場合はどうしたらいいわけ?」
う~ん、そうだね。
子供に好きに大目標を立てさせたら、もしかしたらサッカー選手になるとか、
料理人(寿司屋・ケーキ屋など)になるとかいう場合もあるよね。
でも、親が勝手に別の大目標を立てたとしても、何の意味もない。
大目標は、あくまでも子供自身が決めなければならないから、子供が本気でそういうのなら、それはそれで仕方ない。
ただ子供が、サッカー選手になるとか、料理人になるとかと言っても、子供が本当にそう思っているなら、勉強だってするはずだ。
勉強させる口実は、多少コジツケでも作れるしね。
たとえば子供がサッカー選手になりたいなら、『じゃあ、筑波大学を目指せ』と言えばいい。
筑波大は国立大学だが、サッカー部からはジュビロ磐田のゴン中山選手や井原正巳など、
多くのJリーグ選手や日本代表を排出していることで有名だ。
最近は早稲田大なんかも強いから、早稲田でもいい。
実は今、Jリーグでも、大卒の選手がどんどん増えてきている。
2007年には初めて、高卒ルーキーより大卒ルーキーの数が多くなったし、
一旦Jリーガーになってもクビになって、大学でまたサッカーをやっている選手もいる。
高校生からプロまで参加している天皇杯という大会では、Jリーグのチームと、
そのチームをクビになった選手が所属する大学が対戦して、話題になったこともある。
だから、子供がサッカー選手を目指すっていうなら、
サッカーが強くて勉強のできる中学経由で、筑波大に行こうねと言えばいい。
あるいは、『サッカー選手を引退した後は、コーチとか監督でしょ?
プロのチームのコーチや監督が勉強できないでなれると思ってるの?』とでも言って勉強させればいい。
また、東京や大阪でサッカーの強い学校というのは、たいてい私立だから、サッカーも進学実績もよい学校をいくつか探して奨めればよい。
もちろん、サッカー選手を目指している子供に、勉強だけ目標をたてさせるのも何だから、サッカー選手になるための中目標の1つとして、勉強も混ぜておけばいい。
【例】(大目標) 将来サッカー選手になる。
サッカーで生計を立てる。
(中目標) そのためにサッカーをうまくなる。
勉強して●●中学に行って、筑波大に行く外国のリーグに言っても困らないように、外国語(英語)も習得する。
(小目標) そのために毎日練習をやる/テストでも■■という結果を出すこんな感じかな?また子供が料理人になると言ったら、料理人になるにはいろんなところに修行に行かなければならないってことを教えたらいい。
そしてまたお店を持つにしても、美味しいものを作れるだけじゃダメだってことを教えよう。
たとえばお店をやるにしても、どこにお店を出すかとか、何のお店をやるとか、メニューや値段をどうするかを決めなければならない。
またお店を運営していく資金をどうやって調達するか、人をどうやって雇うか、給料はどうするかも考えねばならない。
さらに開店にこぎ着けたとしても、お客さんをどう集めるか、一度来たお客さんに、また来てもらう工夫など、考えたり計算したりしなければならないことは山ほどある。
子供が何になりたいと言ったとしても、それは仕事であり職業だってことを教えよう。
仕事であり職業であれば、それを続けていくためには成功しつづけなければならない。
そのためには様々な知識や勉強が必要だっていうことを、常日頃から考えさせるようにしむけよう。
本当にそうなりたいと思うのであれば、勉強だって楽しくなるはずだし。
もちろん子供自身が目標を立てたとしても、そのうちコロコロ変わるだろう。
ある時は医者になるといってみたり、しばらくしたら宇宙飛行士になるといってみたり、またあるときは寿司屋さんになるといってみたり…。
目標がコロコロ変わるのは、子供のことだから仕方がないし、実際のところ大人になってもコロコロ変わるわけだから仕方ない。
ただ、何になるにしても、何をやるにしても、勉強というのは必要だ。
モノを見たり、モノを知ったり、体験したり計算したりするということが必要だ。
そして何かを成し遂げるためには、ゴールを決めて、そのゴールにたどり着くために計画を立てて実践しなければならない。
こういうことを教えるのが、親の教育というものだろうね。
そういうわけで、とにもかくにもゴールが決まったら、受験勉強開始ってことになる。
が、その話は長くなるので、一旦休憩だ。
次の講義では、塾の選び方や、塾の使い方について話そう。
【中学受験の始め方】 子供が将来、何になると言い出しても、それは仕事であり職業だから、いろんな勉強が必要だって言うことをしっかり教えよう。