中学受験、目標校の決め方
「センセー、で、目標の学校は具体的にどうやって決めればいいわけ?」
うーん、そうだね。
中学受験を考える親御さんの場合、いろんな思惑があるから、それによって異なるね。
特に子供が男の子の場合と女の子の場合では、同じ中学受験といっても目的がかなり違う。
たとえばまず、『娘には、大学受験させたくない』という親御さんがけっこういる。
こういう親御さんは、中学受験でも高校受験でも、とにかく大学の附属校だったらいいという。
こういう場合の目標設定は簡単だね。
通学圏内にある大学附属校の中から、大学までエスカレータ式で進学できるところをいくつかピックアップして、目標にすればいい。
あとはまあ、子供といっしょに学校説明会に行ってみて、どこに行きたいか決めればいい。
ただしこういう学校に進学させると、勉強しなくなって遊んでばっかりいる子供もいるので、自分で勉強しないような子供には、大学附属校はどうかと思うね。
また女の子の場合、ピアノとかバレエなどの習い事を続けるために中学を選ぶ場合も多い。
神奈川のある私学では、バレエスタジオを新設してレッスンを始めたら、合格最低点がとたんに2~30点も上がったところがある。
こういう動機の場合も、目標設定は簡単だね。
行きたい学校をいくつか見つけ出して、そこを目指せばいい。
学問のレベル的にはそんなに難しくないところが多いから、妥当な目標設定ができる。
子供も自分のやりたいことのための勉強だから、がんばってくれる。
こういったハッキリした進学動機がある場合は、指導する側としてもありがたいし、無理のない指導ができるね。
一方、男の子の場合は、上を目指す場合と、大学附属校を目指す場合に分かれる。
上を目指す場合というのは、医者になるとか薬剤師になるとか、政治家になるとか国家公務員になるとか、学者になるとかエンジニアになるとか。
そういった具体的な目標を持っていて、そのために進学を考えるということだね。
最近は、女の子でも小学生の頃から将来の志望を持つ場合も増えてきているけど、この場合、目指す目標によって、中学受験のゴール設定も変わってくる。
こういう目標の場合、中学や高校は、志望学部のための準備の場ということになるから、大学受験の指導カリキュラムがしっかりしているところでないと、話にならない。
特に東大・京大・旧帝大・医学部などの難関大学・難関学部を目指す場合は、系列高校からの進学実績を調べて、最低でもそういう進路に卒業生を20人以上送り出している学校でないと、どうしようもない。
そして中学受験の場合は、たとえ合格しても大学入試までは6年もあるので、少なくとも、ここ数年の合格者数がジワジワ減っている学校は避けた方が良い。
入ったときには東大に40人も合格していたけど、6年たってみたら10人ちょっとということもよくある。
進学指導の中心となっていた有能な教師が抜けて、レベルが落ちる場合もあるからね。
またハッキリとした目標がない場合でも、一流と呼ばれる企業に就職させたいなら、
- 関東ならMARCH(マーチ:明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)、
- 関西なら地元国立大や関関同立(関西学院大・関西大・同志社大・立命館大)
大学まで内部進学ができる学校を目指す場合も、将来何になるかを見据えるべきだね。
理系志望なのに、入った学校の系列大学が、理系学部を持たなければ、結局大学受験しないといけなくなるからね。
【中学受験の始め方】子供の目的に合った学校を、目標校に決めよう!