一斉塾は、生徒が塾に合わせる仕組み
「で、センセー、塾を選ぶには、
まず何を決めればいいわけ?」
そうだね。
まず一番最初に決めなければならないのは、
授業のスタイルだね。
というのも、一斉授業と個別学習は、
根本的に異なる学習法だから。
一言でいうと、
- 一斉授業塾は、生徒が塾に合わせる学習。
- 個別指導塾は、塾が生徒に合わせる学習。
日能研やサピックスと言った有名な中学進学塾は、生徒が塾に合わせる塾だね。
塾は毎週カリキュラムに従って、授業をどんどん進めていく。
ついていくのは生徒側の仕事だ。
席順やクラスも、テストの成績で決まったりする。
生徒同士を競わせて、勉強させようというわけだね。
またカリキュラムが決まっているから、途中から入ったりすると、授業に追いつくまでが大変だ。
夏期講習などの期間に追いつくしかない。
それから毎回、山ほど宿題を持たせる塾もある。
たくさん宿題を出してくれという親御さんがいるから、それに応えているんだろうけど、
そのために宿題がたまったり、オーバーワークになる子供も多い。
子供が勉強でオーバーワークになるのは、生徒が塾に合わせるスタイルだからだね。
で、授業に遅れているとか、テストで点数が取れない…ってことで、
余分にお金を払って特訓コースを受けたり、別の個別塾に通わせたりする場合が多いわけだ。
一斉指導の塾は、勉強がものすごく好きとか、競争するのが好きな子供には向いている。
難関中学を目指すのであれば、一度体験してみてもいいだろう。
個別指導塾は、塾が生徒に合わせてくれる
もう一方の個別指導塾は、塾が生徒に合わせてくれる塾だ。
中学受験専門の個別指導塾というのはなかなか聞かないけど、
個別指導塾にはたいてい、中学受験のための勉強している子供が何人かはいるはずだ。
個別指導の場合は、子供の現状の学力から学習をスタートするので、
授業に追いつくとか遅れるということはない。
たとえスタートが遅くても、目標校と現状の学力を勘案して、学習スケジュールを立てる。
勉強も6年生の秋までに追いつけばいいから、そんなにあくせくする必要がない。
子供に無用なストレスを与えないですむというのは、大きなメリットだね。
教材や学習カリキュラムは、一般塾と同じモノを使っているので、問題はないだろう。
たいていは、予習シリーズを使って四谷大塚のカリキュラムで進めるか、
錬成講座シリーズを使って、育伸社のカリキュラムで進めるかということになると思う。
両方の問題集を併用して使っている場合もあるようだ。
個別指導の場合は、生徒の学力に合わせて教材を選んでくれるから、
基本の教材は決まっているけど、臨機応変に対応してもらえるところも利点だ。
多少図々しいが、市販の教材などを持ち込んで教えてもらうということもできるだろう。
中学受験というと、すぐに大手の一斉指導の進学塾を考える場合が多いと思うけど、
子供の性格とか家庭の方針と合わなくて一斉塾を辞め個別指導塾の門を叩く人も多い。
最初に選択肢が2つあるっていうことを覚えておいて欲しいね。
【中学受験の塾の選び方】 一斉授業塾は、生徒が塾に合わせる塾。
個別学習塾は、塾が生徒に合わせる塾。
どちらが自分の子どもに合っているか、考えよう。