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第一講義のまとめ
近年、中学受験をする子供が増えている。
首都圏では、5人に1人が受験している。
その背景には、公立教育への不審や強い不満がある。
自分の子供に受けさせたい教育は公立中学ではかなえられないので、
理想とする教育方針を持つ学校を探し、そこへ通わせたいと考えている親が増えている。
公立中学のメリットとしては、
- 家の近くにある
- 費用があまりかからない
- 標準的な教育が受けられる
- 高校進学の指導が受けられる
ということがあげられる。
公立中学のデメリットとしては、
- できる子供には、レベルが低い。できない子供には、レベルが高い
- 総学習時間が少ない(補習もない)※クラブ活動の時間は多い
- 大学進学のための指導はなされない
- 一部では、習熟度別クラス授業を行っているところもあるが、効果は限定的
- いじめや暴力に対して対処が遅いことがよくある
- 最小限の施設以外はほとんど期待できない。
- 教師が数年ごとに他の公立中に異動することが多く、一貫性は期待しにくい
もちろん、公立中学も様々で、非常にレベルが高い中学もあるし、
良い中学もあるが、最大のデメリットは、公立中学の場合、学校を選べないということだ。
一方、私立中学の場合は、学校説明会が何度もあるし、親が学校を訪問することもできる。
親が自分の目で見て確かめることができ、そして私立中学は学校を選べるということだ。
中学受験をするということは、子供を通わせる学校を選ぶということである。
私学のメリットは、
- 生徒の学力が一定のレベルにあるので、授業が適切
- 習熟度別クラス編成で、学力に応じた授業も受けられる
- 学習時間数が多い
- 教員の異動が少ないので、先生が生徒のことをよく知っている
- 系列の高校へ進学が容易。
大学までエスカレータ式に進学できる学校もある
大学への進学指導も充実している学校が多い
施設が充実している場合が多い
私学のデメリットは、
- 授業料が高い。寄付金などを求められる。
- 家から遠い(通学に費用と時間がかかる)
- 授業の進度が速い。別に塾に行く必要もある。
- 校風になじめないと辛い(座禅や剣道、読経やミサなどが必須のところがある)
- 不登校や成績不振があると、進学させてもらえない(実は厳しい)
- 進学校だと授業についていくのが大変。
- 塾などの費用もやはり必要になることが多い。
などと言ったことがあげられる。
私学では、フランス語などが必修の学校だと、英語がわからなくなる生徒もいる。
国立大学の付属中学や、公立中等教育学校(中高一貫校)なら、学費は安くつく。
- ただし一定の条件があるし、競争率は、とんでもなく高い。
- また大学附属の学校は、教育実験の場であるという認識も必要。
- 教習生が3ヶ月くらい教えるのが普通である。
- 系列の高校への内部進学にも、厳しい条件がある。
- 東京学芸大附属中学から学芸大附属高校への内部進学率は3割から5割程度である。
- 教育の費用に関しては、国の教育ローンや、銀行の教育ローンを使うこともできる。
- 予備校や塾、家庭教師などの出費にも利用できる